読書日記
「エレンディラ」 ガルシア・マルケス 短編集なのだけれど、それぞれの話に繰り返し出てくるイメージがあって、死、海、孤独、愛、アメリカの影、旅芸人、香具師、貧しい土地、バラなどで、海やバラも死の象徴のような形で語られる。 どれもこれも結構悲惨な…
『寝ても覚めても』 柴崎友香 河出文庫 最後で主人公が動いた動き方が、なんか自分に似てるような気がして他人事とは思えないというか、他人事も何も小説の中の話なのだからそもそも自分には関係ないんだけど、関係してきてしまいそうに感じた。 その行動に…
『パレードはどこへ行くの?』 鈴木志保 平成26年 秋田書店 涙が止まりません。 子供の頃の自分の枕元にそっと置いてあげたい。
『カメラを止めるな』 本当に。 本当に。 マジで。 面白いからみてほしい。 これ、下手に感想を書くと初めて観たときの面白味が減ると嫌だなーというのがあるので書きませんけど、もう一回観たい。今度は誰かと観たい。二回目同士とかで観るのも面白いのでは…
『ハレルヤ』 保坂和志 短編集。 もう、本当に最高だった。感想なんて書けない。猫が亡くなったことをきっかけにして書かれた小説だけど、ここに書かれた猫たちは生きてる。だって、読み終わった今すごい幸せというか、歓びを感じる。 最後の「生きる歓び」…
『素粒子』 ミシェル・ウェルベック ちくま文庫 最後まで読んでいたら人類が絶滅してクローンの世界になってしまったんだけど、面白いと思ったのはそうなってゆく話の筋ではなくて、主要登場人物の中年男性二人のそれぞれの孤独を書くのに、同時期に彼らと生…
「大家さんと僕」矢部太郎 評判の通り、最後まで楽しく読めました。 ほっこりだけでなく、大家さんの中にバシッと一本通っている筋に、その時代を生きた人の不器用さが垣間見れました。若者と老人の心温まる交流、そんなものではなくてこれは、89年間東京で…
今朝読み終わりました。 政治や社会の仕組みに「それおかしくない?」と思ってもそれをどこに届けていいのやら。政治家やお役所の仕事。企業や会社の責任。個人には何もできない。そんな空気に、嫌気がさしても、何をしたらいいのかわからない。それは政治や…
『波よ聞いてくれ』沙村広明 前から読みたいと思ってたんです。期待を裏切る面白さでした〜。連載中の作品なので新刊出るのが待ち遠しいです。 登場人物がみんなクセあるんですよ、ものすごい人間くさい。コテコテなんです、会話も。憎たらしくてかわいい、…
『黄色い本』高野文子 こちらも漫画です。 短編集。高野さん初めて読みました。 好きです。なんといいますか、読みにくいんですよ、スラスラ読めなくて、ページを戻ったり、セリフを読み直したり、それが面白いと思いました。 普通はスラスラグイグイ読める…
なんと。月末です。信じられない。 今月は漫画ばっかり読みました。いや、ばっかりでもないけど漫画以外は読み終わらなかった。全部途中です。 一冊目 『零落』 浅野いにお 明るい気持ちにはならないだろう、と思いながら読みましたがそんなに暗い気持ちにも…
いつの間にか2月でした。なんだか急に体調崩しまして昨日はずっと寝ておりました。ぼちぼち回復してまいりました。 さて、本の続きです。 『ふたりっ子バンザイ』 石亀泰郎 夏葉社 写真集です。二人の男の子の毎日。今まで写真集を自分で買ったことなかった…
小島信夫 『島』 集英社文庫 小島信夫全集の1番始めに載っている『島』。文芸雑誌「群像」に連載されていたのが昭和30年頃で、この文庫は昭和54年の初版です。私と同い年。 読み始めて、これは苦行だ。と“理解する”ことを半ば諦めて、ただただ読む、読み続…
月末です。 今月読んだ本を紹介します。 1冊目は、久々に、読後面白くて興奮状態になった、 『私たちがやったこと』 レベッカ・ブラウン マガジンハウス これ、興奮して読んですぐ感想をブログに書いてしまったのですが http://haretarikumottari.hatenablog…
『私たちがやったこと』レベッカブラウン マガジンハウス 2002年 写真をそれっぽくしようとがんばっています。 濃密な一対一の関係性が描かれているのに、読んでいて重くならないのは感傷的なところがなく読者を変に煽るようなところがないから。 非現実的な…
『四百字のデッサン』 野見山暁治 河出文庫 去年高砂の一箱古本市、ほんのわいちで隣で出店されてたときどき文庫さんの箱から買いました。なんとなくパラパラしていると目次に田中小実昌さんの名前が。 小実昌さんは『ポロポロ』を去年の春の高松に行く時電…