5月23日 5月に読んだ本③


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『亀と蛇と虹の寓話』 東賢次郎 柏艪舎

 

先日のゴーリーさんの一箱古本で、作者の東さんが出店されていて、御本人から買うことができました。

サインもいただきました。

「寓話」とタイトルされている通り、この世の物ならぬ感じ、神秘的な雰囲気に導かれて夢でも見るようにスルスルとその世界に迷い込んで、中盤から後半、はっ!と気づくとそこはもう後戻りできない、宗教、性、野生、現実か幻か区別もつかない、限界の生を見せつけられて息が苦しいほど、でも止められず最後まで一気に読んでしまいました。

 

(よく、新刊のミステリーとか恋愛小説に「一気に読める」という文句がありますが、それがイコール「面白い」とは思いません。)

 

この濃密な世界からから戻ってくるには最後まで読むしかなかった。

語り口はとても穏やかで(東さん御本人もとても穏やかです)その落差が余計、どこか不穏な感じを際立たせてるような。