7月に読んだ本①



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『その街の今は』 柴崎友香

 

以前読んだ『私がいなかった街で』に通じるところもある、柴崎さんの世界だった。身近な恋愛や仕事や友達との毎日の中にあって、自分の住む大阪の街の古い写真を集めている主人公、歌。何が楽しいのん?と聞かれ、「ちがう…」と思いながら何となく分かりやすそうなこと答えたりするところは強烈に共感してしまうんだけど、柴崎さんの本に出てくる主人公たちは、安易な共感よりは距離を保ちながらもただ話を聞いたり話をしたりすること、考えること、考えたことをどう話したらいいか測り合うことを続けていく。