毎日曇りだったらいいのにな日記

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8月21日 8月に読んだ本②

素粒子』 ミシェル・ウェルベック ちくま文庫

 

最後まで読んでいたら人類が絶滅してクローンの世界になってしまったんだけど、面白いと思ったのはそうなってゆく話の筋ではなくて、主要登場人物の中年男性二人のそれぞれの孤独を書くのに、同時期に彼らと生きて彼らと何らかの関係を持った人々のそれぞれの孤独、彼らの生まれる前から、ずっと前から続いていた孤独を書く必要があったということでした。

解説を読むと(チラッとしか読んでないけど)登場人物二人の孤独は作者その人の人生にこびりついた孤独と似たものだったようで、それを書くとなると、時間や空間を押し広げて読む側にあちこち脱線してもらわねばならない、或いは自分が脱線しながらじゃないと書けない、とかそういうことがあったのかと想像する。

クローンじゃない天然の人間がもうすぐ絶滅しそうだというところで話は終わるが、そのことも何らかの比喩であると考えたら、そんなのは全然おもしろくなかった。

二人の中年男性の幼少期の孤独を、あちこちに空間時間を飛び越えて脱線しながら、(幼少期から成人するまでの方が脱線が多い。)でもだからこそそれを書くのに必死だったんだと分かるその必死さがおもしろくて、苦しかった。