8月1日

【メモ】

夕方5階の部屋を出て階段の踊り場は北と南が見える。

阪神西灘駅のホームの向こうに巨大な紅白のクレーンがふたつ見える。バイト情報誌には港湾作業員の募集が毎回出ている。空がというか空気が曇っている。

線路より南側に見えるものは道路も建物もクレーンもいろんなものが巨大になりどこか現実離れした景色だ。


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北を向くと、今日もサカミチに家がびっしりと建ち並び人々が激しく行き来している。

びっしりと建ち並んだ家々がこの5階の踊り場から実際に見えるわけではない。ただ西灘辺りではまだ緩いがいずれは山へ続く勾配の急なサカミチになっていく、そのことに最近はずっと気持ちを囚われていて北を向けばいつもサカミチにびっしりと建ち並んだ家々を見たような気になってしまう。そうして並んだ家々はでも、ちっとも現実離れしていない、生活の気配が濃く漂っている、水道筋の魚屋の、花屋の、屋台のケバブの、たこ焼きの屋の、パチンコ屋の、畳屋の、肉屋の、天ぷらを揚げる油の匂いはそのまま山の上に上っていく。